出発
2002年8月31日終わりではなく、始まり…
終焉ではなく、創生…
終わりは死んだってやってこない。
死は、終わりにはならない…
だからこれも…終わりではなく始まり…。
此処で得たものはたくさんある。
そして、これからはその得たものを使って
歩いていく…身に染みさせていく…
忘れないために、刻んでいく…
終焉ではなく、創生…
終わりは死んだってやってこない。
死は、終わりにはならない…
だからこれも…終わりではなく始まり…。
此処で得たものはたくさんある。
そして、これからはその得たものを使って
歩いていく…身に染みさせていく…
忘れないために、刻んでいく…
一つの、区切り。終焉と、創生
2002年8月30日待ち合わせをした。
最後の我儘…聞いてくれるかどうかはかなりどきどきしたものだけど…
お手紙を送って…お返事貰ったそれを見たときになんだろうと思った。
【掲示板を見てくれたから、わかると思うけど…?】
掲示板を見に急いだ…
そしてその意味が…やっとわかった。
あの方もまた…出て行かれるのか…。
と、思って…学園の華が、一つ消えてしまうな…
そんなことを考えてた。
夜8時に校門で…
これは私が先に言い出したこと…
いつものように…髪は流したままで、ただ服だけが…違って、喪服で…
夏の夜は長いといっても…8時ともなればすっかり闇に支配されていた…
そんな空を見ていると…少し前の私の心の中って…こんな感じだったんだなぁ…と、そんな気がしてきました…
約束の時間丁度に来られて…
やっと?聞いておきたいことを聞くことが出来ました…
絶対このまま別れたら、気になって仕方ないって言うものでした…
2ヶ月前…一番最初に会った時には…名字しか教えてもらえなくて…
そしてその2ヵ月後…互いに此処を去る事になってその前日に…
お名前、教えてもらった…。
凄く念願のことでもあったから…とても嬉しかった。
ただ、何となく過ごしていた毎日が…
こんなにも愛しいものになるとは思いも見なかった…
だから、少し後悔したけど…
そんなことも言ってられないから…
私の昔の名字…やっぱり、変わってるな。って言った…
学校で会うの…明日で最後なのに…
涙は浮かんでこなかった…
なんか、凄いなぁ…って思った。
目の前に居る人は…凄い人なんだなぁ…って。
良い人と…知り合う事が出来て、凄い人を好きになったんだなぁ…って。
此処を出てから…互いに睡眠不足になるのも良かったけれど…でもやっぱり健康第一だから…
道が異なっていても…それでも、繋がるものを作ってもらえたことが…何よりも嬉しかった…
これが…一応の終焉でも…まだその先に始まりはあるということだから…
学園を去るという一つの区切り。
別れるという終焉。
学園の外で生きるという始まり…未来の創生。
手紙書くために住所も教えてもらう事になった。
覚悟、していてくださいな?
私、かなりの筆まめですから…
最後の我儘…聞いてくれるかどうかはかなりどきどきしたものだけど…
お手紙を送って…お返事貰ったそれを見たときになんだろうと思った。
【掲示板を見てくれたから、わかると思うけど…?】
掲示板を見に急いだ…
そしてその意味が…やっとわかった。
あの方もまた…出て行かれるのか…。
と、思って…学園の華が、一つ消えてしまうな…
そんなことを考えてた。
夜8時に校門で…
これは私が先に言い出したこと…
いつものように…髪は流したままで、ただ服だけが…違って、喪服で…
夏の夜は長いといっても…8時ともなればすっかり闇に支配されていた…
そんな空を見ていると…少し前の私の心の中って…こんな感じだったんだなぁ…と、そんな気がしてきました…
約束の時間丁度に来られて…
やっと?聞いておきたいことを聞くことが出来ました…
絶対このまま別れたら、気になって仕方ないって言うものでした…
2ヶ月前…一番最初に会った時には…名字しか教えてもらえなくて…
そしてその2ヵ月後…互いに此処を去る事になってその前日に…
お名前、教えてもらった…。
凄く念願のことでもあったから…とても嬉しかった。
ただ、何となく過ごしていた毎日が…
こんなにも愛しいものになるとは思いも見なかった…
だから、少し後悔したけど…
そんなことも言ってられないから…
私の昔の名字…やっぱり、変わってるな。って言った…
学校で会うの…明日で最後なのに…
涙は浮かんでこなかった…
なんか、凄いなぁ…って思った。
目の前に居る人は…凄い人なんだなぁ…って。
良い人と…知り合う事が出来て、凄い人を好きになったんだなぁ…って。
此処を出てから…互いに睡眠不足になるのも良かったけれど…でもやっぱり健康第一だから…
道が異なっていても…それでも、繋がるものを作ってもらえたことが…何よりも嬉しかった…
これが…一応の終焉でも…まだその先に始まりはあるということだから…
学園を去るという一つの区切り。
別れるという終焉。
学園の外で生きるという始まり…未来の創生。
手紙書くために住所も教えてもらう事になった。
覚悟、していてくださいな?
私、かなりの筆まめですから…
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今日の日記
2002年8月28日夢を見ていた…
懐かしくもない、ただ残酷な夢を。
その夢が開けた時、第二の人生が始まった…
古き名を捨てて…
私は矢継を名乗った。
心に残った傷…
身体から消えた傷…
警戒心だけが強まり、
人を近づかせる事が出来なかったあの事…
人を寄せ付けなかった…あの時。
以前、図書室で…新しく来た先輩と知り合った。
武道を…されているという。
だが、相手の顔を見るまでに…
警戒心を露にしてしまった…
醜い自分を…其処に晒した。
後から考えても…どうすることも出来ない。
ただ、願わくば…
今後、そのような事態を回避したいと思うだけだ…
今は心を閉じる…
何も見えないように心を…
ただそれだけでよかったと…
そう思いたかった…少なくとも、たった今は…
けれど、それは出来ない。
心を閉じることは許されない…
亡くなった父に…そして今まだ私を案じてくれている母に…
私を受け入れてくれている私の唯一の家族であり、祖父母でもあるあの二人に…
それは、失礼な事だと思うから…
私は、極々一般の家族というものを知らない。
人は全て…醜いものだと思っていた。
けれど…矢継と名乗り始めてからは…
それは違うって思えてきた…
人は…暖かいものだという事に気付いた…
私は気が付くのが遅かったのだと思う…
きっと…そう、きっと…
神条…昔の名前を思い出した…
どうして今ごろ…?
そんな名前を思い出したのだろう?
苦しくて…淋しい思い出が、私の中を駆け巡る…
暗くて泣き叫んだあの日が…私の中に蘇る…
でも今は…そうではないから…
名前を思い出しただけ…そんなことを思い出しただけ…
そう、同じことの繰り返しではないという事が…
どんなに私を勇気付けるのであろうか…?
どんなに…私にとって嬉しい事であるのだろうか…?
その嬉しさが、こんなにも心休まるのを知ったのは…きっとこれが初めてなのかもしれない…
今はもう肉親の顔は覚えていないから…
不思議なもので、人は忘れる事ができる…
それは良い意味でも悪い意味でも…
過去の苦しみから逃げるためにも、そして、解放されるためにも…
私は、解放されたのだろうか?
あの頃、ずっと汚い言葉しか聞かなかった…
あの頃から…私は自らを解放する事が出来たのだろうか?
決して…逃げではなく。
昔…誰かに聞いたことがある。
【人は強いのか?それとも弱いのか…?】と。
ある人は…
【人は強い】と言った。
ある人は…
【人は弱い】と言った。
私はその意見の両方に頷けた…
異なった意見。異なった…論点。
精神面から…そして、肉体面から…
【人は忘れる事ができるから…強いんだよ】
嫌な事を…忘れて、忘れたからこそ前を見て立ち上がっていくことができると…
其れは、人の強さ…?
でも其れで私は助かっている。
いや、助かった…
囚われすぎていた過去から…
光が…差し込まれていたのだから。
今日もまた…連絡が来た。
この前…明君と会ったあの前日…
お葬式が行われた…
あの日を境目に…私はまた一人となった…
私を引き取ってくれた…矢継 楓…おばあ様が…お亡くなりになられた…
私は…喪主として其処にたった…。
ただ…一人になりたかった…
そのことを受け入れる事は出来たものの…
どうすればよいのかわからなかった…
まだ若造なんだなぁ〜って、つくづく思って…少し嫌だった…。
後見人を失った事で…その書類を学校側に提出しに行くことになる…
きっと、すぐに受理されるだろう…。
後ろ盾がなければ…未成年は立つ事が出来ないから…
今此処に…あの人たちが居なくて良かったと思うのは…最大の親不孝者かも知れない…
肉親が…私を施設へ置いて、消えた人たちが…
今年4月、事故で亡くなったのは風に聞いた…。
矢継の家は…私には大きすぎて…
どうしたら良いのかわからない…
けれど、他に身寄りがなかったのはお互い知っていたから…。
31日付けで退学になり…その後は隠居生活…とはいかないものの、
きっと、財産整理や…その他諸々で過ごしていく事になるだろう…
また…電話が鳴った…
早く戻ってきなさいというのか…
それとも…?
推測しか出来ない…取ることが怖くなった…
電話が鳴るたびに肩を震わせている。
もう、苦笑するしかない…
今はまだ大丈夫…
まだ、ちゃんと明日に身体を向けていられる。
身体だけじゃなく、心も…
あと、4日…
出来る限りのことをしよう…
私自身を偽らないように、そして…
出来る限りの人に、手紙を出していこう…
・・・・・・どこか遠くで、携帯の着信音が鳴っている。
そして私は目が覚めた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
懐かしくもない、ただ残酷な夢を。
その夢が開けた時、第二の人生が始まった…
古き名を捨てて…
私は矢継を名乗った。
心に残った傷…
身体から消えた傷…
警戒心だけが強まり、
人を近づかせる事が出来なかったあの事…
人を寄せ付けなかった…あの時。
以前、図書室で…新しく来た先輩と知り合った。
武道を…されているという。
だが、相手の顔を見るまでに…
警戒心を露にしてしまった…
醜い自分を…其処に晒した。
後から考えても…どうすることも出来ない。
ただ、願わくば…
今後、そのような事態を回避したいと思うだけだ…
今は心を閉じる…
何も見えないように心を…
ただそれだけでよかったと…
そう思いたかった…少なくとも、たった今は…
けれど、それは出来ない。
心を閉じることは許されない…
亡くなった父に…そして今まだ私を案じてくれている母に…
私を受け入れてくれている私の唯一の家族であり、祖父母でもあるあの二人に…
それは、失礼な事だと思うから…
私は、極々一般の家族というものを知らない。
人は全て…醜いものだと思っていた。
けれど…矢継と名乗り始めてからは…
それは違うって思えてきた…
人は…暖かいものだという事に気付いた…
私は気が付くのが遅かったのだと思う…
きっと…そう、きっと…
神条…昔の名前を思い出した…
どうして今ごろ…?
そんな名前を思い出したのだろう?
苦しくて…淋しい思い出が、私の中を駆け巡る…
暗くて泣き叫んだあの日が…私の中に蘇る…
でも今は…そうではないから…
名前を思い出しただけ…そんなことを思い出しただけ…
そう、同じことの繰り返しではないという事が…
どんなに私を勇気付けるのであろうか…?
どんなに…私にとって嬉しい事であるのだろうか…?
その嬉しさが、こんなにも心休まるのを知ったのは…きっとこれが初めてなのかもしれない…
今はもう肉親の顔は覚えていないから…
不思議なもので、人は忘れる事ができる…
それは良い意味でも悪い意味でも…
過去の苦しみから逃げるためにも、そして、解放されるためにも…
私は、解放されたのだろうか?
あの頃、ずっと汚い言葉しか聞かなかった…
あの頃から…私は自らを解放する事が出来たのだろうか?
決して…逃げではなく。
昔…誰かに聞いたことがある。
【人は強いのか?それとも弱いのか…?】と。
ある人は…
【人は強い】と言った。
ある人は…
【人は弱い】と言った。
私はその意見の両方に頷けた…
異なった意見。異なった…論点。
精神面から…そして、肉体面から…
【人は忘れる事ができるから…強いんだよ】
嫌な事を…忘れて、忘れたからこそ前を見て立ち上がっていくことができると…
其れは、人の強さ…?
でも其れで私は助かっている。
いや、助かった…
囚われすぎていた過去から…
光が…差し込まれていたのだから。
今日もまた…連絡が来た。
この前…明君と会ったあの前日…
お葬式が行われた…
あの日を境目に…私はまた一人となった…
私を引き取ってくれた…矢継 楓…おばあ様が…お亡くなりになられた…
私は…喪主として其処にたった…。
ただ…一人になりたかった…
そのことを受け入れる事は出来たものの…
どうすればよいのかわからなかった…
まだ若造なんだなぁ〜って、つくづく思って…少し嫌だった…。
後見人を失った事で…その書類を学校側に提出しに行くことになる…
きっと、すぐに受理されるだろう…。
後ろ盾がなければ…未成年は立つ事が出来ないから…
今此処に…あの人たちが居なくて良かったと思うのは…最大の親不孝者かも知れない…
肉親が…私を施設へ置いて、消えた人たちが…
今年4月、事故で亡くなったのは風に聞いた…。
矢継の家は…私には大きすぎて…
どうしたら良いのかわからない…
けれど、他に身寄りがなかったのはお互い知っていたから…。
31日付けで退学になり…その後は隠居生活…とはいかないものの、
きっと、財産整理や…その他諸々で過ごしていく事になるだろう…
また…電話が鳴った…
早く戻ってきなさいというのか…
それとも…?
推測しか出来ない…取ることが怖くなった…
電話が鳴るたびに肩を震わせている。
もう、苦笑するしかない…
今はまだ大丈夫…
まだ、ちゃんと明日に身体を向けていられる。
身体だけじゃなく、心も…
あと、4日…
出来る限りのことをしよう…
私自身を偽らないように、そして…
出来る限りの人に、手紙を出していこう…
・・・・・・どこか遠くで、携帯の着信音が鳴っている。
そして私は目が覚めた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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屋上。〜光、降り注ぐ日〜
2002年7月12日校舎を歩いてた。中学の時のセーラー服を着て。
出てきて…久しぶりに懐かしくて着てみた。
校舎を歩いていると、誰かの歌声が聞こえてきた。
聞いているだけで、心が癒される。
その誰かの歌声を堪能してから、聞こえてくる方向へと、屋上へと向かった。
屋上には二人の男性がいた。
一人は此処にきて最初に会った人。
一人は見知らぬ人。
見知らぬ方は名を蒼月 翔と言った。
彼と同じクラス…だそうだ。
編入初日が修学旅行で、これ以上のインパクトは今までにないといっていた。
そうだろう。私もそう思う。
私はかろうじて一週間前だったが、それでもびっくりした。
翔君は直立二足歩行の巨体を森の中で見たといっていた…
そして…とある人に狙いをさだめたようだ…
答えは…どうなんだろうか?少し気になる。
鵜森さんという方のお話を聞いた。
まだお会いした事のない方だから、先入観を持たないように気をつけないと…そう感じた。
久しぶりに会った彼はとても元気そうだった。
それは良い事だと思った。
無理をせずに元気である事は、とてもよいことだと思う。
傷ついた心隠すのは良くても、無理に微笑むのは良いとはいえない。
以前ついてしまった心の傷が気になるが、今は大丈夫そうだと思う…
そして光を、明日へ繋げる。
出てきて…久しぶりに懐かしくて着てみた。
校舎を歩いていると、誰かの歌声が聞こえてきた。
聞いているだけで、心が癒される。
その誰かの歌声を堪能してから、聞こえてくる方向へと、屋上へと向かった。
屋上には二人の男性がいた。
一人は此処にきて最初に会った人。
一人は見知らぬ人。
見知らぬ方は名を蒼月 翔と言った。
彼と同じクラス…だそうだ。
編入初日が修学旅行で、これ以上のインパクトは今までにないといっていた。
そうだろう。私もそう思う。
私はかろうじて一週間前だったが、それでもびっくりした。
翔君は直立二足歩行の巨体を森の中で見たといっていた…
そして…とある人に狙いをさだめたようだ…
答えは…どうなんだろうか?少し気になる。
鵜森さんという方のお話を聞いた。
まだお会いした事のない方だから、先入観を持たないように気をつけないと…そう感じた。
久しぶりに会った彼はとても元気そうだった。
それは良い事だと思った。
無理をせずに元気である事は、とてもよいことだと思う。
傷ついた心隠すのは良くても、無理に微笑むのは良いとはいえない。
以前ついてしまった心の傷が気になるが、今は大丈夫そうだと思う…
そして光を、明日へ繋げる。
駅前→中庭。〜噴水の光 ・ 心に染みる水〜
2002年7月11日本日、おばあ様から郵便物が届きました。
おばあ様…ずっと一緒に住んできたから…
初めて別れなくてはならなくなって、
私はとても寂しかった。
けれど、これは仕方のないことだから…
おばあ様のオススメのこの学校。
やはりとてもよい所ですよ。
そう、おばあ様の顔見てお話したい…
けれど、それをするまではあともう少し…
夏に帰って、おばあ様にお話しましょう。
私の、大切なあの方に…。
私が忠誠を誓った親愛なる方に。
そして私の…たった一人の肉親に。
過去を振り返らないことにしました。
それは自分を貶める事になりかねないと思ったから…
でも本当は、ただ怖いだけ…
怖くて、嫌で堪らないだけ…。
だから…それで前に進めないのなら、時間をかけてやるしかないのだけれど…
でもせめて、今だけは許して…どうか。
おばあ様の直筆の手紙が同封されていて…
其処にはとても心配だとかかれていました。
悪い人について行きはしないかとか…
けれど、とても優しさが溢れていて…
手紙を読み終わるまでには泣いてしまいました。
とても嬉しかったです。
まだ私は一人きりじゃないって…
心を支えてくれる方が、いらっしゃるって。
その手紙の最後には、服を数着送りますと書いてありました。
けれど、その服を、夜に一人で着て出歩かない事。
とありましたけれど…一体何のためになのでしょう?
私にはそれがわからなくて…
その中の一着を着て、たまにはと思って駅前へと向かいました。
視界に入ったファーストフード店へと入り、アイスティーを注文した所まではよかったのですが…
受け取ってからカウンターを離れる際に、
なんだか周囲に方々の視線が私に集まっているらしく…
ただ、何故なのかがわかりませんでしたから…
一番近い方にお聞きし様と思い尋ねました。
すると…奥の方から私の名前が呼ばれました…
そしてそちらのほうを見遣ると…
中戸さんがいらっしゃいました。
私は招かれるままにそちらへと歩を進め、あの方の向かい側の席に座りました。
いくつか質問されましたが、何故皆様があのような視線を向けてこられるのか…ご存知のようです。
私はわからないのに…
そして、おばあ様が最後にかかれたように、一人で夜間このような格好をして出歩かない事。
それと、人気のない所には極力行かない。という事を仰せられました。
何故、こうも揃って同じ事を仰られるのでしょうか…?
私にはよくわかりません。この服が意味することさえ…
【ご主人様】…私はいつからか慕う殿方に対してそうお呼びしたかったのかもしれません…
あの方から【ご主人様】と読んでみろと仰せになられた際に、少し恥ずかしかったですが、でも同時にとても嬉しかったです。
心に言葉が染みとおるというのか…そんな感じがしました。
それがとても愛しく感じられました。
私は思いました。この方についていくと。
それこそ野この方が…いえ、ご主人様が私に飽きたり、お嫌いになられたのであれば仕方ありませんが、そうではない限り、私はご主人様のお傍におりますと…心に誓いました。
とても喜んでいただけたようで…。嬉しかったです。
それからそこを離れ、中庭へと参りました。
そちらには、彩さんと(柚月さん)(砂影さん)がいらっしゃいました。
ご主人様はすぐに砂影さんとお話に行かれ、彩さんも間もなくしてお勉強へと戻られて…柚月さんとお話しました。
夜空がお好きでいらっしゃるとの事、私も空は好きです。空に限らず、自然のまま、その素顔を見せてくださる所が…
柚月さんも仰るとおり、私も昼よりは夜のほうが好きです。
昼の喧騒を忘れ、静かであるから。
彼女のおうちの近くには、川があるそうで…
私は水辺が好きですので、少し羨ましかったりしましたが。
おばあ様のお家のすぐ裏は森になっておりましたので…夜はよく一人で森林浴をしたものでした。
ふと、そんな子をと思い出して懐かしくなりました。
それから柚月さんがお帰りになられ、砂影さんも…
ご主人様と二人きりになると噴水の所へと行きました。
私は噴水の淵に上がって水飛沫を受けました。
水飛沫は肌だけではなく服も濡らしていって…
靴を脱いで噴水の中へと入って…スカートを摘み上げて水を受けて…とても嬉しかった。
ありがとうございます。ご主人様。
夏の暑さが吹き飛ぶように…私の心の闇も晴れていきました。
噴水の水が月光に白く輝き、その水を受けることがとても嬉しかった。
その水が身体を伝って心に染み透るのがとても心地よくて…
心の底から素直に微笑む事が出来ました。
水は好き…水辺も…
水は包み込んでくれるから…
水は洗い流してくれるから…
受け止める水が、そしてご主人様から与えられる言葉の一つ一つがとても嬉しかった…
プールへいくお約束を致しました。
ご主人様とご一緒できるのは大変光栄なのですが、プールは苦手です。
大勢の方々の前で肌を晒すのはとても苦手。
泳げないって訳ではないけれど…
大勢の人の前で肌を晒すのはどうにも好きになれなくて…そして凄く恥ずかしい。
でも、その時までに覚悟をしておかなければなりませんね…
降り注ぐ水は、私の心の闇を洗い流してくれる。
後に残るは空にかかった七色の虹。
ご主人様はふと何かを思い出されたように呟かれました。
いずれ、私もご主人様の御許から離れていくのではないかと…
その時は悲しいだろうって…
離れたかったら離れてもよいと仰せになられました。
けれど私はそんな事をしません。
私はそういう事が嫌だから…真似はしたくない。
出来るのなら、この胸のうちを晒してお伝えしたかった。
焼き鏝でも血判状でも、お好きなようにして頂いても良い程、心からそう誓えます。
そういわれて涙が溢れた。
ご主人様と…なぜか両親が重なったような気がした。
その時、私はご主人様の横に両親を見ていたのかもしれません…
あの時の事、まだ覚えています。
忘れられない事、たくさんあります。
私自身を苦しめて未だその傷癒えずに。
心に傷跡残して…
雑念、振り払ってご主人様だけを見上げました。
悲しそうな、そして淋しそうな…
そんな表情をさせているなんて心苦しかった。
私はいつでもご主人様に笑っていて欲しいのに…
私はずっとお傍に居ますと誓いを立てました。
あの方が私に飽きられない限り、ずっと…
それは半永久的なものでしょう…
まもなくして笑顔を取り戻された時には、安心しました。
心の底から…
私は今日改めて心の傷の深さを知りました。
これは私が悩むもの…だから表に、人前に出してはなりません。
そう心に固く誓いました。
そして、本日の事を反省するとともに、
明日へと光を繋げようと思います。
おばあ様…ずっと一緒に住んできたから…
初めて別れなくてはならなくなって、
私はとても寂しかった。
けれど、これは仕方のないことだから…
おばあ様のオススメのこの学校。
やはりとてもよい所ですよ。
そう、おばあ様の顔見てお話したい…
けれど、それをするまではあともう少し…
夏に帰って、おばあ様にお話しましょう。
私の、大切なあの方に…。
私が忠誠を誓った親愛なる方に。
そして私の…たった一人の肉親に。
過去を振り返らないことにしました。
それは自分を貶める事になりかねないと思ったから…
でも本当は、ただ怖いだけ…
怖くて、嫌で堪らないだけ…。
だから…それで前に進めないのなら、時間をかけてやるしかないのだけれど…
でもせめて、今だけは許して…どうか。
おばあ様の直筆の手紙が同封されていて…
其処にはとても心配だとかかれていました。
悪い人について行きはしないかとか…
けれど、とても優しさが溢れていて…
手紙を読み終わるまでには泣いてしまいました。
とても嬉しかったです。
まだ私は一人きりじゃないって…
心を支えてくれる方が、いらっしゃるって。
その手紙の最後には、服を数着送りますと書いてありました。
けれど、その服を、夜に一人で着て出歩かない事。
とありましたけれど…一体何のためになのでしょう?
私にはそれがわからなくて…
その中の一着を着て、たまにはと思って駅前へと向かいました。
視界に入ったファーストフード店へと入り、アイスティーを注文した所まではよかったのですが…
受け取ってからカウンターを離れる際に、
なんだか周囲に方々の視線が私に集まっているらしく…
ただ、何故なのかがわかりませんでしたから…
一番近い方にお聞きし様と思い尋ねました。
すると…奥の方から私の名前が呼ばれました…
そしてそちらのほうを見遣ると…
中戸さんがいらっしゃいました。
私は招かれるままにそちらへと歩を進め、あの方の向かい側の席に座りました。
いくつか質問されましたが、何故皆様があのような視線を向けてこられるのか…ご存知のようです。
私はわからないのに…
そして、おばあ様が最後にかかれたように、一人で夜間このような格好をして出歩かない事。
それと、人気のない所には極力行かない。という事を仰せられました。
何故、こうも揃って同じ事を仰られるのでしょうか…?
私にはよくわかりません。この服が意味することさえ…
【ご主人様】…私はいつからか慕う殿方に対してそうお呼びしたかったのかもしれません…
あの方から【ご主人様】と読んでみろと仰せになられた際に、少し恥ずかしかったですが、でも同時にとても嬉しかったです。
心に言葉が染みとおるというのか…そんな感じがしました。
それがとても愛しく感じられました。
私は思いました。この方についていくと。
それこそ野この方が…いえ、ご主人様が私に飽きたり、お嫌いになられたのであれば仕方ありませんが、そうではない限り、私はご主人様のお傍におりますと…心に誓いました。
とても喜んでいただけたようで…。嬉しかったです。
それからそこを離れ、中庭へと参りました。
そちらには、彩さんと(柚月さん)(砂影さん)がいらっしゃいました。
ご主人様はすぐに砂影さんとお話に行かれ、彩さんも間もなくしてお勉強へと戻られて…柚月さんとお話しました。
夜空がお好きでいらっしゃるとの事、私も空は好きです。空に限らず、自然のまま、その素顔を見せてくださる所が…
柚月さんも仰るとおり、私も昼よりは夜のほうが好きです。
昼の喧騒を忘れ、静かであるから。
彼女のおうちの近くには、川があるそうで…
私は水辺が好きですので、少し羨ましかったりしましたが。
おばあ様のお家のすぐ裏は森になっておりましたので…夜はよく一人で森林浴をしたものでした。
ふと、そんな子をと思い出して懐かしくなりました。
それから柚月さんがお帰りになられ、砂影さんも…
ご主人様と二人きりになると噴水の所へと行きました。
私は噴水の淵に上がって水飛沫を受けました。
水飛沫は肌だけではなく服も濡らしていって…
靴を脱いで噴水の中へと入って…スカートを摘み上げて水を受けて…とても嬉しかった。
ありがとうございます。ご主人様。
夏の暑さが吹き飛ぶように…私の心の闇も晴れていきました。
噴水の水が月光に白く輝き、その水を受けることがとても嬉しかった。
その水が身体を伝って心に染み透るのがとても心地よくて…
心の底から素直に微笑む事が出来ました。
水は好き…水辺も…
水は包み込んでくれるから…
水は洗い流してくれるから…
受け止める水が、そしてご主人様から与えられる言葉の一つ一つがとても嬉しかった…
プールへいくお約束を致しました。
ご主人様とご一緒できるのは大変光栄なのですが、プールは苦手です。
大勢の方々の前で肌を晒すのはとても苦手。
泳げないって訳ではないけれど…
大勢の人の前で肌を晒すのはどうにも好きになれなくて…そして凄く恥ずかしい。
でも、その時までに覚悟をしておかなければなりませんね…
降り注ぐ水は、私の心の闇を洗い流してくれる。
後に残るは空にかかった七色の虹。
ご主人様はふと何かを思い出されたように呟かれました。
いずれ、私もご主人様の御許から離れていくのではないかと…
その時は悲しいだろうって…
離れたかったら離れてもよいと仰せになられました。
けれど私はそんな事をしません。
私はそういう事が嫌だから…真似はしたくない。
出来るのなら、この胸のうちを晒してお伝えしたかった。
焼き鏝でも血判状でも、お好きなようにして頂いても良い程、心からそう誓えます。
そういわれて涙が溢れた。
ご主人様と…なぜか両親が重なったような気がした。
その時、私はご主人様の横に両親を見ていたのかもしれません…
あの時の事、まだ覚えています。
忘れられない事、たくさんあります。
私自身を苦しめて未だその傷癒えずに。
心に傷跡残して…
雑念、振り払ってご主人様だけを見上げました。
悲しそうな、そして淋しそうな…
そんな表情をさせているなんて心苦しかった。
私はいつでもご主人様に笑っていて欲しいのに…
私はずっとお傍に居ますと誓いを立てました。
あの方が私に飽きられない限り、ずっと…
それは半永久的なものでしょう…
まもなくして笑顔を取り戻された時には、安心しました。
心の底から…
私は今日改めて心の傷の深さを知りました。
これは私が悩むもの…だから表に、人前に出してはなりません。
そう心に固く誓いました。
そして、本日の事を反省するとともに、
明日へと光を繋げようと思います。
プール。〜雨の優しさ ・ 心の涙〜
2002年7月10日今日は一日中雨が降っていました。
そして私はいつものように、傘をささずに
プールへと行きました。
雨で濡れたプールサイド、裸足で歩いて…
引寄せられるようにしてコース台の上へと座って、
水面を見つめて…
そのまま手を伸ばそうとして…
ふと、思い立って止めました。
ここで、手を伸ばして落ちて…
そんなことしたら確実に風邪を引くと思ったから…
お約束早々に怒られたくはなかったですし…
雨で濡れている分、それで充分だと思ったから…
雨が降ってる日は…大抵傘を持ち歩かない…
何のための傘なの?と、よく言われるけれど、
それは、体調を崩しているときだけ…にしか使わないけど…
以前ある人たちから言われた事…
それは、自分の身をわざと差し出しているって…
本当にそうなのかなぁ?と、たまに思い出して自問自答してみる。
けれど答えは、出てこない…
それは、私自身が答えを望んでいないから。
答えを望まない問いは、幾ら考えても出てくるものではないから…
身を差し出しても構わない。
後悔さえしなければ…それで良いと思えるから。
あの日に…
あの時に…
あの瞬間に…
願っても戻れない場所…
どうしようもないなら、悩んで、乗り越えるしかないから…
一人で…水と睨めっこしていたら、
高木さんがいらっしゃいました。
そして、私と同じで傘をささずに濡れていて…
どうせだから…と仰られていましたけれど…
本当はもう少しお話したかったのですが…
用事を思い出してしまったため、その場をすぐに離れました。
高木さんには申し訳ないことをしてしまいました…
次、お会いした時にはちゃんと謝らなくてはなりませんね…。
まだ、見せられない…
そして隠しつづける…
いずれ来る日の為に…
とりあえず今を頑張るべきだと、思いました。
そして私はいつものように、傘をささずに
プールへと行きました。
雨で濡れたプールサイド、裸足で歩いて…
引寄せられるようにしてコース台の上へと座って、
水面を見つめて…
そのまま手を伸ばそうとして…
ふと、思い立って止めました。
ここで、手を伸ばして落ちて…
そんなことしたら確実に風邪を引くと思ったから…
お約束早々に怒られたくはなかったですし…
雨で濡れている分、それで充分だと思ったから…
雨が降ってる日は…大抵傘を持ち歩かない…
何のための傘なの?と、よく言われるけれど、
それは、体調を崩しているときだけ…にしか使わないけど…
以前ある人たちから言われた事…
それは、自分の身をわざと差し出しているって…
本当にそうなのかなぁ?と、たまに思い出して自問自答してみる。
けれど答えは、出てこない…
それは、私自身が答えを望んでいないから。
答えを望まない問いは、幾ら考えても出てくるものではないから…
身を差し出しても構わない。
後悔さえしなければ…それで良いと思えるから。
あの日に…
あの時に…
あの瞬間に…
願っても戻れない場所…
どうしようもないなら、悩んで、乗り越えるしかないから…
一人で…水と睨めっこしていたら、
高木さんがいらっしゃいました。
そして、私と同じで傘をささずに濡れていて…
どうせだから…と仰られていましたけれど…
本当はもう少しお話したかったのですが…
用事を思い出してしまったため、その場をすぐに離れました。
高木さんには申し訳ないことをしてしまいました…
次、お会いした時にはちゃんと謝らなくてはなりませんね…。
まだ、見せられない…
そして隠しつづける…
いずれ来る日の為に…
とりあえず今を頑張るべきだと、思いました。